スワミジの言葉 イエスの生涯 新連載 62

 

霊的志願者とキリスト 

スワミ・クリシュナナンダ②

私たちはキリストの内に偉大な霊的人物と、

生涯のドラマにアディヤートミカ・サダナ、

(最高霊の霊的修行)が描かれているのを認めます。

 

キリストの降誕から昇天に至るまでの間、

エス様は神の壮麗を世に示し、

この地上に神の栄光を証ししました。

霊の幼子がお生まれになる時、

闇の帝国の支配者は幼子を亡き者にしようと試みますが、

大いなる困難があっても子をお守りしなければなりません。

子が成長するならば、子それ自身がご自分を世話するでしょう。

 

 

人はおのおのが、生まれたばかりの霊的な子の親であり、

幼子が生まれた国の王、つまりエゴ(自我)の猛襲から、

子自身に身を守らせなければならないのです。

霊的意識が漸進的なステップによって出現しようとしている時に、

非霊的な力の反乱は自然と起こり避けられないものです。

火にギー(バターオイル)を注ぐと、ギーは燃え上がりますが、

燃えさかる火の上に大量のギーをさらに注ぐと、

炎は消えてしまいます。

炎が燃えさかると、その火によってギーは燃やし尽くされるのです。

同じように、霊的な炎の煌めきも、

その火が幼子の段階では、世俗的な傾向に圧倒されていますが、

霊的意識の火が燃えさかると、

世俗性と全ての悪を燃やし尽くすのです。

神秘主義の用語で「魂の暗い夜」と呼ばれるものは、

無知の暗闇の中で、意識の息が詰まりくすぶっている段階です。

スリ・クリシュナの誕生は、この同様の事柄について関係しており、

同様の事実を指し示しています。

また、バカヴァッドギータの最初の章では、

高みを目指す魂がこのような状況の中で、

落胆する様が描かれているのです。

(アルジェナが弓を投げ出して戦意を失う様のこと 訳注)

 

 

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しかし、霊である自己は成功する運命にあり、

無知の根と枝を破壊するでしょう。

芽吹き始めた霊が、外なる性質の攻撃からなんとか身を守り、

肉の衣から抜け始めたとしても、

まだ霊の働きは完成されてはいません。

さらに大きな問題は、より高い自然の世界から生じます。

疑いようもなく、

物質的で粗悪な肉体の森を抜け出ることは大変な困難です。

しかし、さらに困難で危険なのは、

外へとむかおうとする宇宙的活動の枢軸である、

脈打つ精神的な性質の捉えがたい力を克服する試みです。

(人の内在するプラーナは常に外へ、下へ流れる。

この力が人を世俗的にする。

この流れを逆向きに変えるのが、プラティヤハーラである。

クリヤヨーガの科学を説明している。訳注)

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