友よ、私たちは目覚める必要がある。
一瞬一瞬、絶えず注意を怠ってはならない。
いつであろうと、注意を三つに分割することが肝心である。
主体(Sbject) 客体(Object) 場所(Location)
主体:一瞬一瞬寝ずの番を行う。自分自身を忘れてはならない。
思考、立ち振る舞い、感情、習慣、言葉などに関して、
油断を怠らないということを意味する。
客体:五感を通してマインドに入ってくるすべての事柄、
見て感じるものすべてを注意深く観察する。
決して物事と自分とを同一視してはいけない。
同一視することによって、
人は心を奪われ、意識を眠らせてしまうからだ。
場所:いまいる場所を見てみよう。
自分の家、部屋を毎日観察してみる。
まるで初めて始めてみるかのようにだ。
日々、次のように自分自身に問い掛けてみる。
「どうして私はこの場所に来たのだろう?」
「なぜ、このお店に来たのだろう?」
「このオフィスに?このお寺に?・・・etc?」
注意を三つに分割するということは、
「我の溶解」のプロセスから、遠く離れた課題ではなく、
同一の目的を持っている。
(訳注;意識は「複数の我」というエネルギー、
月のエネルギーの鞘に包まれている。
そのため、この「自我」の死がなければ、意識は目覚めない。)
自分自身の「複数の我」欠点を本当に発見したいと思うなら、
疑問の余地なく、自分自身を研究し観察する必要がある。
他の観点からもすでに言ってきたように、
一度発見された欠点というものは、
(仮に姿を消したかのように見えても)
不意に現れ、また自然に、自発的に姿を表すものだ。
(訳注:私たちの意識は「複数の我」によって分割され、
分散している。そのため自己コントロールが難しい。
自我を発見し、理解して、
溶解することが意識覚醒につながる。)
自分の行動、体の姿勢をただ観察する。
自分自身に対する不寝番とは、
内面のすべての心理的プロセス、
つまり、感情、激情、思考などについて、
冷静に調査研究することである。
内面で絶えず入れ替わる「複数の我」と自分を、
同一視することなく事物を観察しよう。
その時初めて、私たちは食欲、執着、野心などを、
どのように生じ私たちを動かしていくのか、
そのプロセスを調査研究できるのだ。
金銭に貪欲な性質の人にとっては、
目の前のダイヤモンドリングや札束などに、
心を奪われずに冷静でいることは大変なことだろう。
しかし注意を場所について合わせてみよう。
そうすれば、自分を俯瞰的に客観的にて、
自分の執着の強さや、魅了されている度合いを理解できる。
この注意を三つに分割する方法は、
自己発見と意識を目覚めさせるための完全な方法なのだ。
「地獄、悪魔、カルマについて」より
7.悟りへの黄金の門
心理的欠点の除去
心理的欠点を除去して、意識を浄化することが必要だ。
多くの人々はこのことを無視しているために進歩できない。
ノーシス派のグランド・マスターである、
師サマエルと弟子との会話からこの課題を解説しよう。
師サマエル:
欠点をただちに発見し、取り除かなければならない。
しかしながら、欠点を取り除く前に、
まず、あらゆる自分の欠点と真摯に向き合い、
自分の主要な心理的特徴を知ることが必要である。
なぜならば、数知れない欠点の中でも、
あなたの性格を特徴づけている主要な欠点こそ、
心の奥深くに根を持って過去の生活を形成してきたからだ。
あなたの生活を形作ってきたこ根っ子を知るためには、
少なくとも5年間は徹底的に心理的ワークを行う必要がある。
弟子:マスターにお聞きします。
「欠点を除去するには、規律と厳格さが求められる。」
「欠点を発見したら理解し直ちに取り除かなければならない。」
そのようにおっしゃられましたが、分からない事があります。
私がこの質問をした理由は、
様々な欠点が日中に現れてくるからなのです。
例えば、朝に強欲が顔を出したあと、
次はカフェに出掛けるとプライドが出てきます。
さらに通りを歩いていると、
自分の車に文句を言われて、今度は怒りがこみ上げます。
このように様々な出来事に反応して、
様々な欠点が出てくるのです。
そうすると、主要な心理的特徴を捜している間に、
自分を見失って間違いを犯してしまうのではないでしょうか。
この点についてどのように理解し、
そして確実に心理的ワークに取り組むのでしょうか。
順序をもって行うことが必要です。
実際のところ誰でも同じように日常生活で翻弄されています。
しかしどのような場合でも、
(その場で理解しようとするのではなく)
夜になってから、まず心身をリラックスさせ、
あなたの生活について、場合によっては過去も含めて、
回想エクササイズ(振り返りを行う)を始めるとよいでしょう。
少なくても今生について行ってみましょう。
エクササイズ
次のように行いましょう。
日常の出来事を視覚化し、再現してみるのです。
一度再現して整理したならば、心理的ワークへは前進します。
はじめは、ある出来事に関して15分ほど掛かるでしょう。
別のものに30分費やしてしまうかもしれません。
また他の事柄には10分で済んだということも。
これはそれぞれの重要度によります。
ですから、まず出来事を整理してみましょう。
それから夜を待ち、
静かに整然と欠点の理解に取り組むのです。
弟子:そして別々に欠点を除去していくのですか?
あるいは、いっぺんに全てを除去するのですか?
師サマエル:順番に取り組んでいきます。
あなたが理解しようとする出来事に対して、
発見 審判 死刑執行
この三つの要素を始動させます。
それぞれの欠点に、この三つ要素を適用します。
実践方法
1.まず欠点を見つける。すなわち「発見」する。
2.そして「理解」する。
3.さらに聖なる母クンダリニーの援助で
「死刑執行」を行うのです。これが心理的ワークのやり方です。
あなたがもし、次から次へと欠点に取り組もうとして、
心理的ワークを行おうとすれば、途方にくれるばかりでしょう。
そうすれば困難に陥るだけですから。
『セカンド、サードチャンバーへの指針。メキシコにおいて』
より
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