潜在意識のサムスカーラ
性行為は、潜在意識またはチッタ(意識)に、
あるサムスカーラ(印象)をもたらします。
このサムスカーラは、心の中でヴリッティ(思考)の波を起こし、
ヴリッティは再びサムスカーラを引き起こします。
悦楽はヴァーサナー(過去の印象)を濁らせます。
記憶と想像力を通して、性的欲求が繰り返し起こるのです。
女性の姿を思い起こすことは心の落ち着きを失わせます。
ある虎が一度でも人間の血を味わうなら、
常に人間を追いかけて殺そうとするでしょう。
その虎は人食虎になったのです。
同じように、マインドが一度でも性的喜びを味わうと、
マインドは常に女性を求めるようになるのです。
サムスカーラ(印象)とヴァーサナー(過去からの印象)
というマインドの寝床から、
スムリティ(思い出)つまり記憶を通して、
カルパナ(想像力)が発せられるのです。
そうして愛着が生じます。
想像力、感情、衝動が続いて表に出てきます。
感情と衝動は一緒になってきます。
そうなると、性的刺激が湧きおこり、
心と体の全てを通して渇望を起こし燃え上がらせるのです。
ちょうど壺(土製のもの)の中の水が表面に滲み出てくるように、
性的刺激と燃える情欲は、心の中から肉体に浸透するのです。
もしあなたが非常に油断なくいるのなら、
悪いイメージが出てきた途端に追い払うことができ、
差し迫った危険を回避することができます。
悪いイメージが泥棒のように最初の門を入ることを許しても、
性的刺激が現れたのであれば、
次の門で入らないように注意深く監視するのです。
そうすれば性的な渇望が燃え上がるのを止められます。
強い性衝動がインドリヤ(行動器官・性器)に伝わるのも、
たやすく止めることができます。
ウッディヤーナ・バンダとクンバカ(止息)によって、
性エネルギーを脳へと引き上げることができます。
心をそらすのです。
集中してオーム(OM)や他のマントラを唱えなさい。
祈り、瞑想しなさい。
それでも心をコントロールするのが難しいのであれば、
サットサンガに参加して一人でいることを避けなさい。
強い衝動に見舞われて、それが行動器官に伝わるなら、
あなたは我を忘れてしまい、盲人になったも同然です。
そうなれば欲望の餌食であり後になって後悔することでしょう。
女性の顔を見たことがない盲人の独身男でも、
性的衝動はとても強いものです。
なぜでしょうか?
これはサムスカーラ、つまり過去生からの印象が、
潜在意識に深く埋め込まれているからなのです。
あなたが何をするにせよ、何を考えるにせよ、
すべてがチッタ(意識)または潜在意識の層に宿され、
焼き付けされ、消えないように印象付けされるのです。
崇高なる自己である、
アートマンの知識が輝き明らかになって初めて、
これらの印象を焼き尽くし、跡かたもなく抹消できます。
性的なヴァーサナー(印象)が、
心と体のすべてを満たすと、
サムスカーラ(過去の印象)はヴリッティ(思考)の大波となり、
哀れな(霊的な)盲人を苦しめるのです。
(訳注:過去からの印象が潜在意識に蓄積しており、
性的なイメージを変換せずに受け取ると、
過去の印象(サムスカーラ)が呼び起こされて、
現実ではなく、心の中でのイメージが誇大化、歪曲化されて
自分の想念、思考の波に我を忘れてしまう。)
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